皮膚の健康状態を示す指標の一つである皮膚表面のpHは、角質層のバリア機能や皮膚の常在細菌の変化など、皮膚の変化を捉える重要な指標となります。
フラット形でpH応答膜と液絡部が同一面に配置されているため皮膚表面のpH測定ができます。
フラットISFET pH電極
ラマン分光法を用いて白髪の断面をイメージングしました。毛髪の主成分で水分保持などの美髪効果をもつケラチン*と水分の分布はほぼ一致しています。また、メデュラを中心に脂質の分布も観察することができました。ラマン分光法はケラチン中に多く存在するジスルフィド結合(S-S 結合)に関する情報を得ることができ、年齢や薬剤によるS-S 結合の変化も観察可能です。
* シスチンを多く含むタンパク質の一種で毛髪や爪、皮膚などを構成する成分
ラマン顕微鏡
液系(水分・油分)と粉末の混合物であるクリーム状のファンデーションの成分分布を観察しました。粉末由来の成分であるチタン(Ti)や亜鉛(Zn)と液系由来成分であるシリコン(Si)の塗布後の成分分布の挙動を捉えることができました。
粉末由来の成分は、時間が経っても大きな変化はありませんでした。一方で、液体由来の成分は皮膚の溝に流れ落ち、濃縮され、時間が経過すると揮発していく様子が観察できました。
微小部X線分析装置 (X線分析顕微鏡)
クリーム中の成分と水を明確に分けた三次元イメージングができました。ラマン分光分析は水の影響を受けにくいため、クリームなど半固形製剤中の有効成分や添加剤の混合均一性および分散状態等の評価ができ、製剤設計に役立ちます。
参考文献:深水 啓朗:医薬品の研究開発を強力にアシストするラマン分光法の応用技術, HORIBA Technical News Letter e-Readout-009, Issued September 22, (2022)
ラマン顕微鏡
異なる生産国のオイルを素早く識別できました。これにより、品質評価や品質管理で使用できます。A-TEEM*測定と多変量解析を組み合わせることで、素早い定性・定量分析が可能になります。
*Absorbance-Transmittance and fluorescence Excitation Emission Matrix:励起-蛍光マトリクス(EEM)測定において、1台の装置で蛍光と吸光を測定し、吸光度の影響を補正したEEM測定(A-TEEM)が可能
蛍光吸光分光装置
NanoGPSを使用して、マイクロニードルパッチを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、またラマン分光分析を行いました。これにより、マイクロニードルの初期構造の評価や、ニードルに充填された薬剤、使用後の状態などを観察できます。