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United States

カンボジアでの安全・安心な生活用水提供に濁度計HU-200TB-IMが貢献!

独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)が公示していた「2023年度『中小企業・SDGsビジネス支援事業』において、カナデビア株式会社(旧日立造船株式会社)様の「高濁度向けパッケージ型高速ろ過浄水システム」がカンボジアでのビジネス化実証事業にて使用されており、濁度の管理にHORIBAの濁度計HU-200TB-IMをご利用いただいています。

カンボジアの都市部では、河川水を浄水処理し、生活用水として利用している一方で、地方都市や農村部は、汚れた河川を水源として安全で安心な水にアクセスできない生活を余儀なくされています。さらに、水を汲んだ重たいタンクを長距離にわたって人手で運ばなければならず、それが女性や子どもたちの役割となっています。
 
今回の高濁度向けパッケージ型高速ろ過浄水システムは、省スペースなパッケージ型であるため、農村部や遠隔地などの集落に対して分散配置しやすい特長があり、同システムの普及により、地方都市や農村部でも浄水システムが生み出す安価で安全・安心な清浄水の利用が可能となり、生活レベルの向上だけでなく、農業や畜産業などの生産活動の促進が期待できます。

今回この高濁度向けパッケージ型高速ろ過浄水システムのプロセスにおいて、浄水が適切に行われているかを確認する用途で、弊社の濁度計HU-200TB-IMがプロセス上に複数か所に設置されており、導入に携わられた折井様と牛田様にお話をお伺いしました。

カナデビア株式会社 折井様(左)、牛田様(右)

―このプロジェクトを進めることになった背景を教えていただけますか?

東南アジアなどで工場排水が垂れ流されている状況を改善したいと思っていたのがきっかけです。
ただ、排水処理などの非生産設備にお金をかけることよりもまずは飲み水を整備していきたいという現地の方の声を聞いて、まずは浄水を突破口として排水処理まで対応できればという思いで始めました。

 

―カンボジアを選んだ理由は何でしょうか?

水道の普及率が低かったことです。ミャンマーもそうですが、急激な都市化・人口増加による水不足や公営水道局の給水範囲外など、民営水道事業体も参入していない地域の住民は濁質を含んだ浅井戸や河川水、また水販売業者からの高価な水の購入に依存している上にCOVID-19感染拡大により、公衆衛生の向上と増進が求められていました。

 

―過去の歴史的背景などから現地参入に関して、難しい部分はありましたか?

プノンペンの奇跡のおかげで、現地での北九州市様による活動の下地があり、日本人が信頼されていることから特段大きな問題はなかったです。

 

―今回の設備の特長はパッケージ型でコンパクトだということですが、何か理由はありますか?

本来、浄水設備や水道が無い地域において分散型給水として普及させることを目的としています。そのため、様々な場所に設置しやすいようにコンパクトな製品とし、きれいな水をできる限り多くの方に届けられるようにしたいと考えています。
今回、パッケージ型にすることで、建設日数も大幅に短縮できるため、浄水施設を一から施工する必要がないことも大きなポイントです。送水範囲をコンパクトにできるので集落ごとでの造水が可能になり、維持管理などを含めたトータルコストも下げられます。浄水設備をコンパクトにすることで、近隣住民にきれいな水が適切に配水されるようにしたいと考えています。

 

―今回のろ過システムでは、写真の繊維ろ材を使用されているのですよね?

今回の繊維ろ材は従来、下水処理場の初沈代替用として使用していた繊維ろ材と、砂ろ過設備の代替用として使用する2種類の繊維ろ材です。2種類の繊維ろ材で汚れ成分の吸着と沈降分離、ろ過を効率的に行うことで、高濁度水をきれいにするだけでなく、浄水設備全体の大幅なコンパクト化を実現しました。

前段処理の繊維ろ材

後段処理の繊維ろ材

―今回HORIBAの濁度計を選んでいただいたポイントはありますか?

計器の信頼性ですね。ただ、一番のポイントは以前から御社と一緒にお仕事をさせていただく機会が多く、一緒に水環境改善事業に取り組んできたことが大きいです。2015年からミャンマーにおいて水環境改善事業を共同で実施したこともあります。

 

―今後の展開をお聞かせください。

日本ではあまり感じられませんが、世界ではまだまだ安全で安心な水を使用することが出来ない地域が多くあります。弊社はSDGs Goal 6 「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」を目標に浄水設備の普及と水の供給を行っていきます。

 

HORIBAグループにおける水・液体計測のエキスパート集団である堀場アドバンスドテクノは70年以上続く歴史の中で培った計測技術を活かし、生活および水環境の改善に貢献する製品やソリューションを今後も提供していきます。

 


 

※プノンペンの奇跡
カンボジアの首都プノンペンの水道施設整備などを日本の北九州市などが主導で行ってきた事業の俗称。

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