
温室効果ガス N2Oの排出削減に貢献
HORIBAのN2O分析計は、据え置き型からポータブル型までさまざまなタイプがあり、排水処理施設から排出されるN2Oガス濃度を定量化することで、環境保護やGHG排出削減に貢献します。
下水処理施設では、一酸化二窒素 (N2O)、メタン (CH4)、二酸化炭素 (CO2) を含む温室効果ガス (GHG) の排出量が課題となっています。特にN2OはCO2の約300倍の地球温暖化係数を有しており、下水処理施設からのN2O排出量を正確に定量化し、運用を改善することは、カーボンニュートラルの実現に向けたGHG排出削減への重要な一歩になります。
日本では、2021年に新たな地球温暖化対策計画が決定され、下水道分野においては 2030年度のGHG排出量を 2013年度比で208万t-CO2を削減する目標が掲げられています。下水道分野のカーボンニュートラル実現に向けたロードマップの内容は、「下水道技術ビジョンロードマップ」にて2023年に公表されています。
しかし、GHGの排出量削減に向け、下水道事業における電力や燃料の消費については具体的な対応が示されている一方、水処理プロセスから排出されるN2Oについては明確な抑制対策が立てられていないのが現状です。その要因の一つとして、N2Oの排出量は時間、季節、処理場、採取場所などによる変動が大きく、正確な実態把握のためには各処理場における詳細な調査が必要であることが挙げられます。また、調査方法の公定法が存在しないことも一因です。そのため、日本では「下水処理に伴う一酸化二窒素排出量の実態把握に向けた調査マニュアル(案)」※が設定され、その実態調査が活発に取り組まれています。
※参考:下水処理に伴う一酸化二窒素排出量の実態把握に向けた調査マニュアル(案) (2024年2月 国土交通省 国土技術政策総合研究所 下水道研究部より公表)
N2Oガス濃度を連続的に自動で測定したい
信頼できる正確な測定が必要
さまざまな場所で測定したい
< 特長 >
N2Oをはじめ、CH4やCO2などGHGの連続測定が可能
一台で最大4成分を測定可能 (例: N2O, CH4, CO2 , O2)
優れた精度
干渉成分補償機能を搭載(オプション)
複数のサンプリングポイントを1台で測定
多点切替システムにより、複数のサンプリングポイントを定期的に測定可能(オプション)
図 1:
マルチガス分析計 VA-5000シリーズ(上)
サンプリングユニット VS-5000シリーズ(下)
表 1:N2O測定 仕様例
測定成分 | N2O |
---|---|
測定原理 | 非分散形赤外線吸収方式 |
測定レンジ | 0-50 ppm※ |
最小検出感度 | 0.1 ppm |
繰返し性 | フルスケールの±0.5% |
直線性 | フルスケールの±2% |
ゼロドリフト | ±2.0% /日 |
スパンドリフト | ±2.0% /日 |
※ オプションレンジです。その他のレンジも可能です。