There is a local version available of this page. Change to the local version?
United States

歯科医院における高感度CRP、HbA1c活用例

大阪市

医療法人飛翔会 心斎橋E-Style歯科クリニック

院長 江川 翔 先生

使用機器: 遠心方式血液分析装置 
測定項目:高感度CRP、HbA1c
 

炎症の指標である高感度CRPで歯周病の状態を数値化すれば客観的な説明ができ、患者さんの理解や治療への意欲にもつながります。

1日の患者数はどのくらいですか?


1日30-40人が来院されます。そのうち歯科医師による診療を行うのは15人程度で、保険診療と自費治療がおよそ半数ずつです。それ以外は、歯科衛生士による指導、メインテナンスを行っています。

どのような時に、高感度CRP、HbA1cを測定しますか?


新規患者さんには初回検査の時に血液検査の説明も行います。高感度CRP、HbA1cはともに歯周病との関連性が高い項目なので、当院ではこの2項目を指標としています。血液検査は自費になるため、患者さんの希望を確認しますが、9割以上の患者さんが検査を希望されます。治療中の患者さんの経過観察も合わせて、月に20-30件程度の血液検査を実施しています。

採血はどのように行っていますか?


歯科医師が指先を穿刺して採血しています。指先採血は簡便で、患者さんにも負担が少なく、検査に対する同意を得やすいです。

高感度CRPの値をどのように評価していますか?


初回受診時に炎症の程度を確認する目的と、治療効果の判定の指標として利用しています。歯周病は慢性炎症なので、炎症の指標である高感度CRPを見ないと、細部の炎症状態は評価できないと考えています。高感度CRPは他の歯周病検査に比べて客観性が高いため、治療効果の「見える化」に役立ちます。
高感度CRPの値をもとに「数値が下がりましたね。これは全身的にも炎症が引いて、いい状態になってきているということです。このまま治療を続けましょう」と患者さんに説明すると、患者さんの納得感も大きく、治療へのモチベーションにつながります。

HbA1cの測定が役に立った事例はありますか?


糖尿病の有無は歯周病に影響しますので、患者さんの糖尿病について知ることは歯科治療にとって大変重要です。問診では拾い上げられない、正直に申告しない方や病識のない方も中にはいるため、初診時のHbA1c測定は欠かせません。30代までの若い方は糖尿病の検査を受けたことがない人も多く、当院で初めて自分のHbA1c値が高いと知ることもあります。HbA1cが6%以上の場合には内科受診をお勧めしています。その結果、新しく糖尿病と診断され、糖尿病治療を開始する方もいます。

治療方針について、患者さんとどのようなお話をしますか


治療方針を決めるときは、現在の状態と治療の選択肢についてお話しします。日本では、健康保険の範囲では十分な歯科治療が難しいのが現状です。そのような現状について、患者さんに情報をきちんと理解してもらったうえで、私の理想を押し付けるのではなく、患者さん自身で考えて選んでもらいます。人それぞれの価値観が、治療方針を選ぶうえで非常に重要になります。

クリニックで実施している特徴的な取り組みはありますか?


歯科衛生士さんについて、患者さんには「歯科衛生士さんのことはトレーナーだと思ってください」と説明しています。メインテナンスをするだけではなく、自宅でのセルフケアについてもきちんと指導をして、前回来院時以降のセルフケアの評価も行います。時には食事指導をすることもあります。まさにジムでパーソナルトレーナーをつけているのと同じです。そこまでするからこそ、患者さんも本気になって、生活習慣も含めた改善に取り組むようになると考えています。

診療で、先生が大事にされていることは何ですか?


自分のする治療に対してはすべて理由をつけて説明できるように心がけています。人からの受け売りではなく、根拠を持って治療することが重要だと考えています。
基本的には、治療ではなく予防のために定期的に通院することが歯科診療の理想形です。来院される患者さんが口腔状態を改善し、理想の形に近づけるように、私たちも真剣に向き合っています。

施設インフォメーション

施設名医療法人飛翔会 心斎橋E-Style歯科クリニック
住所大阪市中央区南船場3丁目3-5 OKTビル 4F
電話06-6121-8117
scrollable

お問い合わせ

* 項目は必ずご記入ください。

HORIBAグループ企業情報