燃料電池車(FCEV)評価

FCEVにかかわる材料分析、設計・試作、評価サービスを紹介します。
燃料電池を普及させるためには、性能向上、信頼性、耐久性の飛躍的向上が求められます。そのためには、電解質膜や触媒材料などの新しい技術開発、劣化要因の詳細な把握が重要になります。
燃料電池の構成部材は、その目的に応じて高分子、炭素材料、金属など多様な材料が使用されています。従って、燃料電池の評価方法は、発電中の電気化学的な測定、発電終了後の各部材の解析、各部材の物性評価等に至るまで多岐にわたります。また、自動車や定置発電など用途に応じて燃料電池に求められる特性も変化するため、様々な条件で燃料電池を評価する必要があります。
このように、燃料電池は、使用する材料や運転条件、環境条件などにより、発電特性が変動します。
燃料電池評価では、供給するガスの流量、湿度、温度、背圧や、燃料電池に与える負荷、燃料電池の周囲温度などの環境条件を制御して、発電特性を評価します。
燃料電池評価装置は、燃料電池を開発・評価するために、さまざまな条件を変化させ、電池の性能を評価します。
燃料電池評価装置は、発電に必要な各種ガス制御装置(流量制御装置、湿度制御装置、温度制御装置、背圧制御装置)や、燃料電池に与える負荷を制御する電子負荷装置、発電時の発熱を吸収する冷却水の制御装置、電気特性を評価する電気計測装置、すべての装置を統合制御する統合制御装置で構成されています。
燃料電池評価装置は、燃料電池の使用される様々な環境を再現することで、燃料電池の発電特性を正確に評価します。
燃料電池評価装置では、幅広い流量範囲での精度を確保する必要があります。そのため、HORIBAの燃料電池評価装置では、高精度なMFC(マスフローコントローラ)を多段化する方式を採用しています。
一台のマスフローコントローラで幅広い範囲の流量制御を行うと、小流量(低流量)側の精度を担保することが難しくなります。そのため、多段MFC方式では、小流量(低流量)側と大流量(高流量)側で異なるMFCを採用し、連動させて制御することで、全てのレンジで高精度な制御を実現しています。
HORIBAの燃料電池評価装置では、幅広い流量・温度に対応できる、バブラー方式・インジェクション方式・シャワー方式の3つの加湿技術を採用しています。燃料電池の評価条件に適した最適な加湿技術を提案いたします。
また、燃料電池の過渡試験においては、高い安定性と応答性が両立した湿度・露点制御が求められます。
安定性と応答性を両立させるため、HORIBAではDry-Wet混合式という加湿方式を採用しています。
加湿器から出てきたガスをそのまま用いるWet式は、安定性は高いですが、応答性に欠ける場合があります。Dry-Wet混合式では、加湿させたガスと乾燥したガスを精度よく混合させることで、露点を安定的に保ちつつ、露点変化に素早く追従させることができます。
HORIBAの燃料電池評価装置は、各種制御装置と計測装置を連動させ、適切に燃料電池を評価します。各部品やシステム全体のステータスや閾値、アラーム、計測制御など、すべてを統合して管理するプラットフォームをご利用いただけます。
このプラットフォームは次の機能を備えています。
装置のパラメータ設定・表示、全ての部品の測定データや状態をタグづけして管理
複数の試験室を統合管理
スクリプト作成の工数を削減
複数拠点でのスクリプトの共有