「HORIBA BIWAKO E-HARBOR」完成イメージ
日本で 創造力・高品質・スピードを追求、設備投資促進制度を活用
新方式の少量多品種生産で生産能力2倍&納期1/3をめざす
当社は、グループの本拠地である京滋地区において、国際競争力のある国内生産および開発力の強化をめざし、滋賀県大津市に所有する工場用地に、湖西最大の開発・生産拠点「HORIBA BIWAKO E-HARBOR」を建設します。今月24日に着工し来秋に完成予定。主力の自動車排ガス測定装置などの営業・開発・設計・生産・サービスの一体改革を進めます。国内の生産性向上に向けた設備投資を促進する制度※も活用する予定です。専門知識とノウハウを蓄積した日本で、コア技術の継承・革新を実現します。また、顧客ごとに異なる仕様に対応するため、設計・生産を有機的に融合させ、かつ新生産方式を導入する事で、生産能力2倍・納期1/3をめざし、京滋地区で競争力を強化します。なお、延床面積は約2万8,000平方メートルで地上5階地下1階の鉄骨構造、建設費を含めた総投資額は約100億円。
※本設備投資に際し、「経済産業省 生産性向上設備投資促進減税」、「滋賀でモノづくり企業応援助成金」および「大津市工場等建設助成金」を活用する計画です。
ガス計測技術を京都から滋賀に移管集約
当社のガス計測技術は、世界トップブランドに成長した自動車排ガス測定装置MEXAシリーズをはじめ、煙道排ガス測定装置などの主力製品で採用しています。2011年の組織改革時には自動車と環境事業のガス計測開発部門を統合。今回、新拠点で開発・設計・生産を有機的に融合することで新製品投入の迅速化や生産の効率化を図ります。60年にわたり京都で育てたコア技術を、次世代を担う若手技術者の手で新拠点に移管し、先達の知識やノウハウを分解・吸収して技術の継承と生産量の拡大に向けた改革を進めます。この移管プロジェクトを“技術の遷宮”と掲げ、技術革新に向けた原動力に変えていきます。なお、移管後の京都本社においては、科学・医用・環境事業の開発・生産部門の技術力向上に向けた設備投資を行う計画です。
新生産方式で生産能力2倍&納期1/3
ガス計測の心臓部の計測器は、測定値の信頼性を左右し高精度・高速応答を実現する独自技術が凝縮されており、全て京都本社で内作しています。近年、ガス種の増加や計測環境が多様化する中で、個別仕様の対応や短納期の要求が高まっています。社外に分散していた部材の組立工程などを1フロアに集約する方式を導入し、在庫や輸送による部材の停滞をなくし、迅速で柔軟な供給体制を構築することで、品質向上とともに生産能力2倍・納期1/3をめざします。
グループ物流拠点の活用とエンジニアリング機能の強化
新拠点を既存の当社グループ物流拠点の敷地内に置くことで物流コスト削減を進めます。将来的には、新拠点で自動車・環境のガス計測装置の実測試験設備も導入し、顧客向けトレーニングやデモンストレーション、アプリケーション開発を行う計画です。営業から開発、生産、メンテナンスまで、包括的なエンジニアリングサービスを提供することで創造力・高品質・スピードを追求し、グローバル市場での競争力をさらに高めます。
建屋は、各部門に最短距離でアクセスできるフロア配置やコミュニケーションスペースを設けた大階段を巡らせ、情報伝達を活性化します。設備面では空調の排熱利用やLED照明の導入などエネルギー活用の効率化を図ります。従業員の健康と環境に配慮した拠点整備を進めます。 |
HORIBA BIWAKO E-HARBOR (ホリバ ビワコ イーハーバー)の概要
住所 | 滋賀県大津市苗鹿1丁目15-1 びわこ工場用地内 |
敷地面積 | 59,694平方メートル |
建屋面積 | 7,125平方メートル |
延床面積 | 28,177平方メートル |
構造・規模 | 地下1階 地上5階建て 鉄骨構造 |
目的 | 測定機器の組立および開発実験、自動車試験装置のメンテナンスなど |
予定従業員 | 約600名(パート、外部の従業員含む) |
備考 | HORIBA BIWAKO E-HARBORの“E”は、当社がこの新拠点でめざす様々な効果を示す言葉の頭文字で、この新拠点にかける思いを表しています。Engineering、Environment、Enhance、Energy system、Engagement |
日本における主な開発・生産体制について
滋賀 | 自動車:自動車排ガス測定装置 環境:煙道排ガス測定装置、大気汚染測定装置 |
京都 | 半導体:流体制御装置、薬液濃度モニター、半導体センサー |
熊本・阿蘇 (量産工場) | 半導体:流体制御装置 医用:血球計数装置、検査試薬 |
工場用地について
当社は、1969年に約59,000平方メートルの工場用地を取得。1994年には、将来の工場建設のために着手していた地盤整備が完了。大型装置の国内生産を増強するとともに、HORIBAグループ全体の物流を効率化させるために、2009年5月にびわこ工場が竣工しました。その他、経営陣から社員家族まで約1,600人が参加した“グループ感謝デー”を催し、屋台出店や大運動会で懇親を深めてきました。